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堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

考えれば考えるほど人のための行動を取れなくなるのはなぜ?

公開日: 更新日:

 人から仕事やお願い事を頼まれるとノーと言えない、あるいは、仕事をお願いしたいのに「申し訳ないな」と思ってしまい頼むことが苦手……。こういった人は少なくないのではないでしょうか?

 玉川大学の坂上らは、思考を重視すると利他的な行動が取れなくなるという実験(2016年)を行っています。それによると、考えれば考えるほど人のための行動が取れなくなる傾向があるとのこと。

 実験内容を端的に説明すると、お金のやりとりをするゲームを用いて、利他的な行動を取るケースと、利己的な行動を取るケースでは、脳にどのような変化が表れるかを調べました。

 活動を見る箇所は2つ。大脳新皮質の一部である背外側前頭前野と、大脳辺縁系の一部である扁桃体です。前者の大脳新皮質とは理性をつかさどる新しい脳。冷静かつ合理的に考えるための機能を持ち、いわば“考える脳”といえます。

 一方、扁桃体を含む大脳辺縁系とは、多くの生物が持つ原始的な脳であり、感情や欲求といった本能をつかさどっています。この2つを比べ、脳の活動からどう利他心が起きるかを観察したのです。

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