著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

ムカデ咬傷の6割は夜間に自宅で受傷 半数以上は夜間救急へ

公開日: 更新日:

 ムカデは、昼間は石や枯葉の下、物陰などに隠れていて、夜になると活動を始めます。民家やテントなどに侵入する習性があり、寝ている人の首筋や顔を這いまわることがあります。それを無意識のうちに手で払いのけようとして、咬まれる人が多いのです。

 被害者はあまりの痛みに飛び起き、夜間救急に駆け込むことになります。ある地方中核病院の報告によれば、患者の約6割が自宅内で受傷しており、半数以上が夜間救急を受診しているとか。海外でもまったく同様で、たとえばオーストラリアの統計では、患者の半数が自宅、また半数が夜に咬まれているそうです。 受傷部位は手が最も多く(4~5割)、次いで足(2割)となっています。手が多いのは、ムカデを払いのけようとして咬まれるからです。また、ムカデは靴の中に潜り込む癖があるため、朝になって履こうとした途端、咬まれるケースもあります。テントなどで宿泊する人は、靴の確認を怠らないよう注意が必要です。

■噛まれた場所をヤケドしない程度に温める

 とはいえ咬まれても、命に関わることは滅多にありません。主な症状は激しい痛みです。痛みの感じ方には個人差があり、なんとかガマンできるという人もいれば、あまりの痛みに動くことすらできない人までさまざまです。痛み以外では、咬まれた場所が腫れることがあります。とはいえひどい腫れではありません。また頭痛や倦怠感が出る人もいます。

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