著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」名誉院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

世界一有名な画家ゴッホの奇行に唱えられる「梅毒説」

公開日: 更新日:

 フィンセント・ファン・ゴッホは、「炎の画家」「狂気の画家」として有名です。わずかな意見の違いも自分に対する全否定であるかのように受け止めて怒りを爆発させる性向があり、たびたび発作を起こして人間関係に失敗します。一途な性格で、女性に告白し拒絶されたにもかかわらず、女性の実家にまで追いかけていき、女性の両親が「そのしつこさが不快だ」というのにも耳を貸さず、手をランプにかざして「私が炎に手を置いていられる間、彼女に会わせてください」と迫ったりします。

 また、弟の仕送りで生活しているのにそのお金を絵のモデル代にあて、自身は歯が抜けるほど貧しい食生活をしながら絵を描き続け、少しでも送金が遅れると怒り出す。それを咎めると放浪の旅に出かけるなど、肉親でさえ理解しがたい行動を繰り返します。挙句の果てには、画家仲間であるゴーギャンから自身が描いた自画像の耳の形をからかわれると、腹いせに自ら左耳たぶを剃刀で切り落とし、それを新聞紙に包んで「この作品を大事に取っておいてくれ」という伝言と共に娼婦に送りつけるという「耳切り事件」を起こすのです。

 その後、ゴッホは精神病院や民間療養所で入退院を繰り返しますが、その間に何度も発作が記録され、発作時には絵の具を飲もうとしたり、服毒したりしたようです。そして1890年12月に銃弾を受けた体で帰宅し、2日後に亡くなります。37歳という若さでした。なぜ、彼が銃弾を受けたのかについてはいまだにナゾです。定説は自殺ですが、弾丸の入射角が自殺とは断定しづらいというので、友人が所有する銃が暴発し、その友人をかばうために自殺を装った、などの説もあるそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲