著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

認知症予防の可能性が報告された「バイアグラ」使ってはいけない人

公開日: 更新日:

 バイアグラが認知症を予防する--。こんな研究結果が報告されました。世界初のED治療薬として知られるバイアグラの有効成分である「シルデナフィル」を服用している人は、アルツハイマー型認知症の発症が少ないことがわかったというのです。

 2021年12月、老化をテーマにするオンライン学術誌「Nature Aging」に掲載された米クリーブランド・クリニックの研究者による論文では、米国人732万人の医療費請求データを用いて、シルデナフィルの服用者と非服用者ではアルツハイマーの発症リスクに差があるのかどうかを6年間追跡した結果、服用者は非服用者に比べて発症が69%少ないことが明らかになりました。

 シルデナフィルは、ホスホジエステラーゼ-5(PDE5)阻害薬と呼ばれる薬のひとつで、血管平滑筋の弛緩などに関わる酵素(PDE5)の働きを阻害し、血管を広げて血流を改善する作用があります。アルツハイマー患者由来の脳細胞を使った実験を行った研究者は、「シルデナフィルが脳にも存在するPDE5の働きを阻害することで、アルツハイマーで見られる脳への異常なタンパク質の蓄積を抑制し、脳細胞の成長を促すように働く可能性がある」としています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い