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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

外傷による死亡リスクが高いO型は、なぜ血が止まりにくい?

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 血液凝固には2系統あります。ひとつは血小板。血管が破れると、駆けつけて積み重なり、穴を塞ごうとします。しかしこれは、川の決壊箇所に石を積むようなものなので、出血を完全に止めることはできません。

 そこで登場するのが、もうひとつの系統であるフィブリンタンパク質です。こちらは通常は血液中に溶けていますが、出血があると、凝固因子と呼ばれる物質の作用によってフィブリン分子が絡まりあって線維状になり、血小板の隙間を埋めてかさぶたをつくります。速乾性のセメントのような働きをするわけです。血小板とフィブリンが連携して初めて、効果的な止血が可能になるのです。フィブリンが固まるためには、凝固因子が欠かせません。これには13種類あります。ところがO型の人は、血小板は正常なのですが、凝固因子に関係する物質が非O型より少ない傾向にあるのです。そのため非O型よりも、血が止まりにくいのではないか、と考えられてきたわけです。

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