末期がん患者は「在宅医療」の方が幸せという現実 年間200人超を看取る名医が語る

公開日: 更新日:

「在宅診療は、裕福な家族に囲まれたぜいたくで特別な医療サービスのように思われがちです。しかし、実際は身寄りがない方や生活保護を受けている方々も少なくありません。当然、全ての治療行為が医療保険適用になるので、収入に応じた上限額を超えることはありません。例えば、1割の保険料の方だと1.8万円が医療費上限です。がん末期の方だと看護師による連日の介護的なサポートや緊急の往診費用などもそこに含まれるのです」

■在宅診療は高度医療も行える

 もちろん、満足のいく在宅診療を受けるには、24時間365日患者に対応してくれる医師や訪問看護師、家族に負担がかからないよう食事やおむつの世話をしてくれるよう介護体制を整える優れたケアマネジャーなど、複数の条件が必要となる。

「もし、患者さんの家族に負担がかかるとしたらそれはその地域の在宅診療や介護体制になんらかの問題があるからだと思います。残念ながらそうした地域は多い。本来、24時間体制で真剣に家族と向き合う医師、看護師、介護職が連携することができれば、重い疾患の患者を病院に通院させるよりも家族の負担は減ることにつながるのです。私たちのクリニックでは、新しい患者の9割は、介護職の方々から家族負担を軽減するために在宅診療に入って欲しいと頼まれ診察をスタートします」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発