著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

杉田あきひろさんは躊躇も…喉頭がんは治療の代償が病期で大きく変わる

公開日: 更新日:

 喉が商売道具のプロですから、ひるむのは無理もないかもしれません。NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の元うたのお兄さんとして知られるボーカリストの杉田あきひろさんが、「(喉頭がんの放射線治療を終えても)今のレヴェルで歌を歌える保証は無い」と医師に言われ、治療にためらいが生じたことをツイッターに吐露したことが話題です。

 それでも結局、放射線を選択。放射線と手術とで1日迷ったため、「(当初の予定より治療スタートの)日程も一週間遅れたんです」と事情を説明。「また必ず歌えると信じて、強い気持ちで闘い抜きます」と前向きに語っています。

 喉頭は、一般にのどぼとけのことで、気道と食道が分離するところにあります。誤嚥(ごえん)を防いで気道の確保が役目の一つ。もう一つは発声で、その中に声帯があります。声帯を声門と呼び、それより上を声門上、それより下を声門下。部位別にみると、声門がんと声門上がんで9割超、声門下がんは2%程度です。

 多くを占める2つは声のかすれやのみ込みにくさ、痛みなどの症状が現れやすく、比較的早期に見つかりやすい。声門下がんは進行するまで症状がないことが多く、全体としては7割がステージ1か2の早期で見つかります。

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