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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

熱中症にならないためには1日3回の「体温測定」が効果的

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 これだけでも極端な脱水になるリスクは減りますが、それでも暑さで体温が上昇している場合は、汗の量に応じて30分に1回程度を目安に水分補給するといいでしょう。

 また、大量に汗をかくと水分だけでなく塩分も失われますから、その場合は飲むならOS-1(オーエスワン)などの経口補水液が理想的です。逆にアルコールやウーロン茶は利尿作用が強いので、脱水につながり逆効果になります。

■心臓が悪い人は“手を打てる時間”が短い

 こうした自分の体の状態を正常な方へ戻す対策は、「体温が上がってきているな」とわかった段階で行うのが重要です。熱中症になってしまうと、理解しているはずの行動ができなくなってしまうからです。

 私も以前、身をもって経験しました。夏の暑い日差しの下、ゴルフのラウンド中に熱中症になりかけたのです。自分ではよく覚えていないのですが、バンカーに打ち込んでしまったボールを出そうとスイングした際、何度も空振りをしたり、妙な打ち方を繰り返していました。するとキャディーさんが近寄ってきて「具合が悪くありませんか?」とたずねられました。その一言で「あれ? 何やってるんだろう」と我に返り、ひとまずバンカーからの脱出に成功しました。ただ、そのホールが終わると、近くにある休憩所で15分ほど休みながら体を冷やすように言われ、水分も補給。これで、その後はいつものようにプレーすることができるようになりました。熱中症になりかけていたのです。

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