著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

C型肝炎は飲み薬で安全に治る時代になった 強い副作用も少ない

公開日: 更新日:

 それが2014年に直接作用型抗ウイルス薬(DAA)が登場し、C型肝炎の治療は大きく変わりました。DAAは複数の抗ウイルス薬がひとつに配合されたクスリで、いくつか種類があります。C型肝炎ウイルスの特徴、肝炎の進行度、これまでの治療歴に応じて最も適したものが選択されます。DAAを用いたC型肝炎治療はインターフェロンの注射を必要としないので、インターフェロンフリー治療とも呼ばれています。驚くべきはその奏功率で、多くの場合、C型肝炎ウイルスを95%以上の確率で排除できます。また、インターフェロンのような強い副作用もないため、安全に治療することも可能になりました。

 デメリットも、そこまで大きなものはありません。DAAはいずれも高価(1錠で数万円)ですが、医療費助成制度の対象になるため、患者本人の金銭的負担はそれほど大きくはなりません。

 C型肝炎の治療に精通した専門医を探して受診しなければいけないという点は、手間的にデメリットと言えるかもしれませんが、これも安全かつ有効にしっかり治療をするということを考えると絶対に必要なことです。

 ひとつ覚えておいてほしいのは、DAAでウイルスを排除できても、線維化してしまった肝臓は元には戻らないということです。そのため、できるだけ早い段階で治療をすることが重要です。肝がんの多くはC型肝炎が原因なので、DAAは結果として肝がん患者も大きく減らしてくれることでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々