著者のコラム一覧
森維久郎赤羽もり内科・腎臓内科院長

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

腎臓の食事療法は「ステージ」によってやり方が異なる 自己判断は禁物

公開日: 更新日:

 前回お話しした慢性腎臓病(CKD)について、もう少し続けたいと思います。CKDは、何らかの腎障害が3カ月以上持続する場合と定義されており、GFR値(糸球体で1分間で処理される血液量)と、尿タンパクの値、画像検査での腎臓の形の異常などで診断します。GFR値59以下が3カ月続くと、慢性腎臓病と診断されます。

 慢性腎臓病には「軽度」「中等度」「高度」と重症度を示すステージがあり、GFRの数字が小さいほど重症。ステージによって治療法や普段の生活で気をつけることなどが異なってきます。

 慢性腎臓病と診断された患者さんは「すぐに透析治療になる」と思い込むことが多いのですが、人工透析は、最も重症であるステージ5に分類される患者さんが受ける治療。現在、慢性腎臓病と診断された患者さんの約8割が「軽度(ステージ1~3a)」に位置しています。

 ただし、「軽度」だからといって、「放置していても問題ない」とは考えてほしくないんです。患者さんから「『軽度なので(治療は)何もすることはない』と医者に言われた」「経過観察と言われた」といった話を聞くことがよくあるのですが……。

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