糖尿病の人は歯科治療を受けるときは「感染」と「低血糖」に注意

公開日: 更新日:

 感染対策だけでなく、「血糖値の急激な変動」にも気を付ける必要がある。歯科治療では、精神的にも肉体的にも大きなストレスがかかるため、血糖値が急激に上昇する。われわれはストレスを感じると交感神経が活発になり、アドレナリンやコルチゾールといったホルモンが多く分泌される。これらのホルモンは血圧や心拍数、血糖値を上げる作用があるため、糖尿病の人がきちんと血糖コントロールができていないと、想像以上に血糖値が上がってしまう。

「反対に血糖値が下がりすぎて低血糖を引き起こすケースもあります。糖尿病の患者さんは普段から経口薬やインスリン注射などで血糖を下げていますが、薬を使ってから食事をとらずに歯科治療を受けると、治療中に急激に血糖値が下がってしまう危険があるのです。低血糖は血糖が乱高下した時にも起こるので、治療のストレスで血糖が上昇している状態ではさらにリスクがアップするといえます。低血糖が重症化すると、意識消失や昏睡状態になって命に関わるので、万一に備えて血糖値を上げるためのグルカゴン製剤を常備しているクリニックもあるほどです。糖尿病の患者さんは、食事前で空腹な時間帯の診療予約を避けるなど、低血糖を起こさないようにする注意が必要です」

 糖尿病の人は、歯科治療による「感染」と「低血糖」のリスクが高いことを頭に入れ、きちんと血糖コントロールをしたうえで治療に臨む必要がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理