著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【空腹時血糖値】食後10~12時間に測定 糖尿病が疑われる男性は19.7%

公開日: 更新日:

 糖尿病が心配な中高年にとって、血糖値は最も気がかりな健診項目です。これは血液中のブドウ糖濃度のことです。単位は「㎎(ミリグラム)/デシリットル(デシリットル)」。血液100㏄当たりに溶けている、ブドウ糖の量(重さ)になります。

 食事をすれば増えますし、空腹になれば下がります。変動幅が大きいため、健診では、食事から10~12時間経過後に血糖値を測定します。そのため「空腹時血糖値」と呼ばれているのです。基準範囲は70~109。110以上は高血糖、69以下は低血糖です。糖尿病が強く疑われるのは、126以上です。2019年の「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)によれば、男性の19.7%、女性の10.8%が、この層に入っているとか。

 ブドウ糖は炭水化物(糖質)に豊富に含まれているため、血糖値が気になる人の中には、低糖質ダイエットを試みる人が少なくありません。しかしかえって健康を損ねてしまうかもしれません。ブドウ糖は、脳がエネルギー源として使える、唯一の栄養素です。そのため無理に血糖値を下げると、集中力が途切れたり、眠気に襲われたりして、仕事の効率が下がります。

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