著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

【血圧】「心拍出量」と「血管抵抗性」で決まる 上が140以上で高血圧

公開日: 更新日:

 コロナ禍が収束し、新年度を迎えようとしています。春は健康診断の季節、いまから心がざわついている人もいると思います。今回は健診項目について、簡単に解説していきます。

 最初は「血圧」です。いまさらと思うかもしれませんが、どんな数値か問われると、答えるのが難しいはずです。医学的には「血液(血流)が動脈の内壁に与える圧力」となっています。単位は「㎜Hg」、水銀柱を何ミリ押し上げる圧力かを表しています。

 血圧を左右する要素はいくつかありますが、主に「心拍出量」と「血管抵抗性」の2つで決まるといわれています。前者は、心臓が押し出す血液量、後者は血管における血液の流れにくさです。

 ポンプとホースの関係と同じで、血液量が増え、血管の抵抗が上がれば、血圧は上昇します。ですから血圧が高いと言われても、それだけではどちらが問題なのか分かりません。しかしどちらにしても、心臓の負担が増えたり、血管の内壁が高圧にさらされて弾力性が失われたりしますから、大病のリスクが上がります。

 基準はどうなっているのでしょうか。テレビCMなどでは、上が130を超えると大問題であるかのようにあおっていますが、そんなことはありません。日本高血圧学会の治療ガイドラインでは、上が140以上になると、高血圧と診断されます。ただし159までは軽度(Ⅰ度)とされ、食事や生活習慣の見直しが中心となります。ちなみに上が130~139は「高値血圧」といって、まだ様子見(経過観察)の段階です。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する