新型コロナワクチンはなぜ“企画倒れ”なのか 京大医生物学研究所准教授に聞く③

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスを積極的に解説している京都大学医生物学研究所ウイルス共進化分野准教授の宮沢孝幸氏。獣医師の宮沢氏がそれを行う理由は、新型ウイルスはほぼすべて動物由来であり、主に獣医師がその危険性を顧みず研究を続けてきたからだ。そのひとりとして未曽有の国難にこれまでのウイルス研究の成果を役立てたいと考えたからに他ならない。その宮沢氏に何かと話題の新型コロナワクチンについて聞いた。

「今回、日本国内で新型コロナウイルス感染症対策として接種されたのは主にmRNAワクチンです。これほど大規模な接種は人類初の試みです。しかし、私はこのワクチンは元々“企画倒れ”だったと考えています」

 一般的なワクチンは病原体を不活化させるか、毒性を弱めるかしたものなどを体内に注入することでヒトが本来持っている免疫を誘導して感染や重症化を防ぐ。今回は新型コロナウイルスの表面にある突起状の「スパイクタンパク質」を合成する設計図(mRNA)を体内に送り込むことで、「新型コロナウイルスが侵入した、防御態勢を取れ」と体に認識させる。その結果、スパイクタンパク質が細胞に結合しないようにする抗体が大量につくられ、ウイルスが細胞に感染しないようにする。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波