著者のコラム一覧
荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【コロモジラミ】感染症を媒介する危険 予防には入浴と洗濯が欠かせない

公開日: 更新日:

 人に寄生する3種類のシラミについてのお話は、アタマジラミ、ケジラミに続き、残るは「コロモジラミ」です。

 アタマジラミは主に子供の間でうつり、ケジラミは性感染症としてよく知られています。では、コロモジラミはどうでしょうか。

 コロモジラミは数時間ごとに吸血を繰り返しますが、吸血時以外は下着などに付着して生活しています。見た目は子供に蔓延するアタマジラミと形や大きさがそっくりですが、コロモジラミは発疹チフス、塹壕熱、回帰熱など他の感染症を媒介することもあるので注意が必要です。

 コロモジラミ症は、路上生活者、アルコール・薬物依存者、大規模な自然災害に遭遇した場合など、長期間衣類を洗濯しない、あるいはできない方に見られる疾患です。主な症状は、他のシラミ症と同じく皮膚の激しい掻痒感です。発疹チフスなどの感染症は、あまりのかゆさに皮膚をかくことでできた傷に、病原体を持ったコロモジラミやその糞が擦り込まれて感染すると考えられています。発疹チフスや回帰熱は4類感染症に指定されています。4類感染症は「人から人への感染はほとんどないが、動物、飲食物などの物件を介して人に感染し、国民の健康に影響を与えるおそれのある感染症」と定義されています。発見された場合、感染源となる対象物へ消毒措置などがとられます。

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