著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

州民が州民を自由に訴えて「賞金」まで…テキサスで中絶訴訟が泥沼化

公開日: 更新日:

 この訴訟は元夫が、「元妻の中絶行為を助けた友人女性2人には、胎児の死に対して責任がある」と訴え、それぞれに対し1人100万ドル(1億3千万円)もの支払いを請求しています。もし元夫が勝てば、「胎児にも人間と全く同じ人権がある」という中絶反対派の悲願が認められることにもなり、それにより女性の権利がさらに狭まることを警戒する声も高まっています。 

 ところがこれに対し、訴えられた方の友人女性たちが逆に元夫を訴えたことで、事態はさらにややこしくなりました。

 元夫は、2人の友人と中絶を受けた本人とが交わしたショートメールを、最も重要な証拠として提出していました。しかし今回友人女性たちは「これらのショートメールは本人の許可なく無断で閲覧されたもので、プライバシーの侵害だ」と訴えたのです。もしこれが認められれば、元夫はこれを証拠として使えなくなることになります。

 中絶をめぐって泥沼となった訴訟合戦がどこに着地するのか、全米が固唾を飲んで見守っています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性