著者のコラム一覧
シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

保守判事の経口中絶薬販売禁止判決でアメリカは再び混乱

公開日: 更新日:

 テキサスの連邦判事が、経口中絶薬ミフェプリストンの販売を全米で禁止する判決を下し、衝撃が走っています。

 ミフェプリストンは、ミソプロストールと共に薬剤による人工妊娠中絶に使われる薬で、アメリカでは2000年にFDA(食品医薬品局)が認可。それ以降23年間、安全で効果のある薬として、主に妊娠初期に使用されてきました。

 現在はアメリカの中絶の過半数は、薬によって行われています。フランスでは最も早い1988年に認可、他のヨーロッパ各国、カナダ、中国などでも一般的に使用されています。

 ところがテキサス州の連邦地裁判事はFDAに対し、薬の認可に疑問の余地があるとして、販売の停止を命じました。

 アメリカで人工妊娠中絶は、昨年6月の最高裁判断により、14州で違法となっています。しかし今回の判決により、ニューヨークを含め合法の州でも、薬を買うことができなくなる。つまり、よりお金がかかりリスクも高い、手術しか手段がなくなることになります。

 何より20年以上問題なく使われていた薬が突然禁止になるという、前代未聞の事態に驚きと怒りの声が広がっています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」