著者のコラム一覧
清水俊彦東京女子医大脳神経外科客員教授

東京女子医大脳神経外科客員教授。「汐留シティセンターセントラルクリニック」の頭痛外来には全国から患者が訪れる。

めまい、耳鳴り、不眠…長年の頭痛が招く「脳過敏症候群」

公開日: 更新日:

 脳過敏症候群は、発症して早い時期であれば、投薬による治療が可能。脳神経の興奮を治めるために、その人の症状や脳波をチェックし、大脳の興奮度に応じて薬を処方します。

 薬は、片頭痛に予防効果を示す抗てんかん薬や抗うつ剤などが有効です。といっても、長きにわたり興奮状態にあった脳ですから、そう簡単には鎮まりません。

 目安として、3カ月から半年以上はかかると考えていただきたい。焦ることなく、きちんと決められた用量の薬を飲む。それで不快な症状が改善されることがあるのです。

 QOL(生活の質)の向上のためにも、思い当たる症状がある方は、一度頭痛専門医を訪ねていただきたいと思います。

 前述のように、脳過敏症候群は慢性頭痛がありながらも長年専門的な検査をせず、市販の鎮痛剤でごまかし続けたり我慢してきた人が発症する疾患です。発症するのは40~60歳代後半に多い傾向がある。そういった状況を知り、「脳過敏症候群は片頭痛の高齢者版ですね」とおっしゃった患者さんがいらっしゃいましたが、まさにその通り。

 次回は脳過敏症候群に当てはまるかどうかのチェック項目や、そのメカニズムについてもう少しお話しします。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」