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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

「1日5分の高強度運動」は13種類の発がんリスクを最大3割減らす

公開日: 更新日:

 少しは体を動かさないと……。運動不足を気にしている人にとっては、朗報でしょう。豪州の研究者がわずか数分の運動でもがんの発症を減らす効果を突き止め、報告したのです。

 シドニー大学の研究者らは、英国のデータを用いて運動習慣のない成人2万2398人を抽出。ウエアラブルデバイスをもとに日常生活で断続的に行われる高強度の運動(VILPA)を記録。VILPAが計測されなかった人を基準に、計測された人のがん発症リスクを前向きに調査しています。

 VILPAとは、階段を駆け上がったり、早歩きをしたりしたときの運動で、1~2分以内の高強度運動のこと。研究では、1分または2分以内のVILPAが対象で、1日あたりの合計時間を算出。すべてのがんと特に運動不足との関連が指摘されている運動不足関連がんの発症リスクを評価しています。

 運動不足関連がんとは、食道がん肝臓がん肺がん腎臓がん、胃がん、子宮体がん、白血病、骨髄腫、大腸がん、頭頚部がん、直腸がん、膀胱(ぼうこう)がん、乳がんの13種類。追跡期間は平均6.7年。新たながんの発症は2356件で、そのうち運動不足関連がんは1084件でした。

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