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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

がんになると必ずがんで亡くなるわけではない 心臓のチェックを定期的に

公開日: 更新日:

 がんになると、がんで亡くなる。一般の方は、そう思っているかもしれませんが、必ずしもそうではありません。心不全や脳卒中などの心血管病に注意することが必要なのです。

 米ジョンズ・ホプキンス大の研究によると、対象は1万2414人で、がんサバイバーは3250人。がんサバイバーが心不全を発症する確率はそうでない人よりも52%、脳卒中を発症する確率は22%それぞれ高いことが判明しました。

 がんの種類についても調べたところ、乳がん肺がん大腸がん、血液がんのサバイバーの方が心血管病の発症リスクが高かったものの、前立腺がんについてはリスクが高くなることはなかったといいます。

 この研究結果は、私の臨床経験からも実感していたもの。それがデータとなってまとまったことに意義があります。

 たとえば、乳がんで使用されるアントラサイクリン系抗がん剤や分子標的薬のハーセプチンなどには、薬剤の副作用として心不全があります。この副作用を防ぐには、薬剤を使用する前のチェックがとても重要で、特にハーセプチンにおいては心エコーなどで左心室の動きの定期的な測定が推奨されます。

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