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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

医療の中でのギャップ…「診療所」と「病院」のコロナ重症者の確率の違い

公開日: 更新日:

 そうした目の前の患者から考えれば、病院医師はマスク着用を勧めるし、診療所医師はマスクを勧めないという意見に振れることが容易に予想される。さらに、病院医師が見る重症者の大部分がマスクを付けていない生活を送っていたりすれば、ますますマスク着用をという方向へ振れるだろう。

 上記のような自分自身の経験に基づいて判断するときの危険が、ここでは明らかになっている。ここで必要なのは経験に加えて、コロナ患者全体を対象とした医学研究である。しかし、医者の中にも学校現場と同様、医学研究は信頼できないという一群がある。

■個別の判断として選択肢は常に保証されるべき

 そうした医者の1人とX(旧Twitter)上で議論をしたことがある。その医者はマスクを着用すべきでない、ワクチンも打つべきではないという意見をXで広めていたのだが、「重要なのは自分が見ている現実であり、医学論文など信頼できないので読む必要はない」と言っていた。私にすれば、そういう医者の言うことこそ信頼できないことは明らかである。医学研究を参照せず、自分の目の前の事実だけを見ていては、コロナの軽症者しか経験することができず、コロナはただの風邪という結論になってしまうからだ。

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