著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

経済評論家・山崎元さん永眠…食道がんは手術するなら化学放射線療法の後がいい

公開日: 更新日:

 経済評論家の山崎元さんの命を奪ったのは、食道がんでした。元日に65歳の人生に幕を下ろしたといいます。私は投資をしませんが、山崎さんの金融コラムは楽しく拝読していただけに残念でなりません。

 そのコラムなどでがんのことも公表していて、2022年7月にのどの違和感をキッカケに受診を重ねた結果、ステージ3の食道がんが判明。抗がん剤治療を受けてから、手術で切除したそうですが、診断から1年半ほどでよくない転帰となってしまったようです。

 亡くなる直前まで仕事をされていた姿は、とても痩せていました。どんながんであれ、進行すると痩せることがありますが、病気そのものの影響だけではなく、手術の影響もあると思います。

 食道がんの手術は、外科手術の中でも特に大がかりで、食道のほとんどと胃の一部を切除して、さらにリンパ節を含む周辺組織も切除します。その上で胃を持ち上げ、食道の残った部分とつなげて食道の代用とするのです。

 この手術の後遺症で、胃がんで胃を全摘するケースと同じように食事量が減り、痩せます。山崎さんも術後3カ月ほどのコラムで、食事量が3分の1になったと記していました。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし