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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

鳥山明さんの手術報道も…「脳腫瘍」は良性なら全摘も可能

公開日: 更新日:

 マンガ家、鳥山明さん(享年68)の訃報が世界を駆け巡っています。その死因である急性硬膜下血腫は、外傷が原因になることがほとんどです。外傷の衝撃で脳がダメージを受けて脳挫傷を起こして、そこから出血。その血液が脳を覆う硬膜の下でたまり、脳を圧迫するのです。

 硬膜下血腫の前に「急性」とあるように、頭部への外傷や打撲などがあると、まもなく発症します。急速に悪化する危険性があるため、すぐに手術を受けることが大切です。

 一方、慢性硬膜下血腫は、出血した血液が少しずつたまるタイプ。軽微な外傷を受けてからじわじわと出血し、数カ月して硬膜下に血腫ができます。多くは3カ月程度です。実は私の母もこの病気で、元日に東大病院で手術を受けたことがありました。それだけに鳥山さんの訃報は、人ごととは思えません。

 鳥山さんを巡っては、交流があった芸人の話として「(今年)2月に脳腫瘍の手術をするとは聞いていました」ということが報じられました。脳腫瘍は、脳にできた腫瘍の総称で、良性と悪性、原発性と転移性に分けられます。

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