新インスリン治療「BPT療法」は何がすごい? 経口薬への切り替えも可能に

公開日: 更新日:

 インスリン療法というといまだに糖尿病末期の治療法と思い込んでいる人がいるが、間違いだ。ひと昔前は糖尿病が進行してからインスリン注射を打ち始めていたため、結果的に「インスリン療法を始めてしばらくして目が見えなくなった」「透析になった」というケースもあった。

 また、「インスリン療法を始めると膵臓(すいぞう)が楽を覚えてインスリンを分泌しなくなるかも」との誤解もあった。しかし、いまは糖尿病の初期段階でインスリン治療を始めることで、合併症を回避できるばかりか、途中でインスリン治療をやめて糖尿病の飲み薬に切り替えられる人も増えている。

 そんなインスリン治療に新たな方法が登場し、注目されている。糖尿病専門医で「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。

 ◇  ◇  ◇

「BPT(Basal-supported Prandial GLP-1RA Therapyの略)療法です。インスリンの基礎分泌の不足分を補うための長時間作用(持効)型のインスリン注射製剤と食事摂取後にインスリン分泌を促すGLP-1受容体作動薬を1日1回、同じタイミングで摂取するやり方です。空腹時血糖と食後血糖を同時に抑えるのが狙いです。最近は、この2つの薬剤を1本の注射薬にしたものが続々と発売され、新たな糖尿病治療として注目されているのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  3. 3

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  4. 4

    葵わかなが卒業した日本女子体育大付属二階堂高校の凄さ 3人も“朝ドラヒロイン”を輩出

  5. 5

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    隠し子の養育費をケチって訴えられたドミニカ産の大物種馬

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!

  5. 10

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑