膝痛とオサラバ!治療最前線(4)炎症の原因物質は進行に伴って減少し鎮痛剤が効きづらくなる

公開日: 更新日:

 変形性膝関節症と診断されたら、どんな治療があるのか?

「欠かせないのは運動療法です。特に、初期や中程度では有効性が高い。日本整形外科学会が行った全国調査でも、病院で処方する消炎鎮痛剤と同等かそれ以上の痛みを和らげる効果があると実証されています」(順天堂大学医学部整形外科学講座・石島旨章主任教授=以下同)

「膝が痛い↓かばって力を加えなくなる↓動けない↓安静にする↓筋肉が減る↓軟骨がすり減る↓膝が痛む」といった悪循環を運動療法が断ち切るのだ。

 痛みは変形性膝関節症進行のリスク因子なので、鎮痛剤の投与も重要。石島主任教授は国内の9大学20施設との共同研究で、日本で高い頻度で用いられる消炎鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬=NSAIDs)とヒアルロン酸関節内注射が日常の診療でどの程度有効かを検証した。それによって痛みを軽減する効果があることを証明し、権威ある英文医学誌で発表している。

「一方、消炎鎮痛剤が効果を発揮する炎症の原因因子は、進行に伴い減少していくことも判明しました。痛みのシステムは初期と進行期では異なる(本連載3回目参照)。その場合、消炎鎮痛剤ではなく、弱オピオイド鎮痛薬など別の種類の鎮痛剤を用います」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?