肺がん治療の今(2)「組織型」「遺伝子変異」「免疫チェックポイント」でオーダーメード治療

公開日: 更新日:

 がんの発生・増殖に直接影響を与えている遺伝子(ドライバー遺伝子)は数百種類あるといわれている。ただ、ドライバー遺伝子がわかっても、その遺伝子変異に作用する分子標的薬がなければ手を打てない。肺がんは遺伝子に関する研究が進んでいて、現在、9つのドライバー遺伝子と、それに対応する分子標的薬が登場している。

 ドライバー遺伝子は、EGFR(イージーエフアール)、ALK(アルク)、ROS1(ロスワン)、BRAF(ビーラフ)、NTRK(エヌトラック)、MET(メット)、RET(レット)、KRAS(ケーラス)、HER2(ハーツー)だ。

 組織型について冒頭で触れたが、肺がんで遺伝子変異が見られるのは、肺がんのうち85%を占めるといわれる非小細胞肺がんだ。

「非小細胞肺がんと診断されると、確定診断時に採取した細胞や組織を使用し、9つのドライバー遺伝子の変異の有無を調べます。遺伝子変異が見つかれば、それぞれの遺伝子変異に応じた分子標的薬を使った治療が行われます」(樋田医師)

 ドライバー遺伝子の中でも最も多いのがEGFR遺伝子変異で、40%を占める。複数の分子標的薬がある場合は、エース級のものから使う。

 分子標的薬には耐性化の問題があり、効かなくなると、次の分子標的薬や抗がん剤を用いる。(つづく)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情