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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

生活保護申請中の患者さんは「100万円」の文言に引き寄せられ…

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 しかし現状は人それぞれ。冒頭で紹介した患者さんのように、日々どうにかやりくりしながら生活している人もいます。いえ、生活に余裕があったとしても、詐欺や強盗は許されることではありません。

 昨今、若者の手取りを増やすために税金や社会保険料の負担軽減を訴える政策が支持されています。一部では十分な収入がありながら適切に税金や社会保険料を納めなかったり、不正に生活保護を受けているケースもあることから、社会に対する不満がたまり、ニヒリズムの若者が増えています。

 増え続ける社会保障費、納めた分だけもどってくるのかわからない年金。終身雇用はもはやなく、一生懸命働いたとしても賃金が上がるかわからない現状。不満は積み重なるばかりでしょう。

 医療介護の現場でも、役所に診療報酬が決められている限り、一般企業のように景気や業績により社員の賃金を上げることが難しいです。医療職は、一昔前は安定し「食いっぱぐれない」というイメージがありましたが、社会保障費がかさむ現在では、看護師やリハビリ職など、仕事量は増えるが賃金が上がりにくい状況です。

 あまり明るい未来が見えない日本において、適切に税金が使われ、さまざまな職種の賃金が上がるようなシステムづくりも求めたいものです。

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