著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(5)病気の原因となる特定分子を攻撃する「分子標的薬」が飛躍する

公開日: 更新日:

 バイオ医薬が絶好調です。いまや全世界の医薬品市場の半分(金額ベース)を占めると言われています。なかでも「分子標的薬」が大いに売上を伸ばしています。主成分はモノクローナル抗体と呼ばれるタンパクで、病気の原因になっている特定の分子を攻撃するように設計されています。

 主にがんの治療薬として、多くの種類が用意されています。ノーベル賞で有名になった免疫チェックポイント阻害剤のオプジーボ(小野薬品)はそのなかの代表格です。オプジーボだけでなく、すでに6種類の免疫チェックポイント阻害剤が承認され、がん患者に広く使われています。

 他にもがん細胞に血液を送る血管を作らせないようにするものや、細胞増殖を抑えるものなど、さまざまな分子標的薬が使われています。最近、末期がんでも元気な人が増えていますが、その多くが分子標的薬のお陰と言っていいでしょう。

 分子標的薬のターゲットは、がんに限りません。アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、クローン病、喘息、多発性硬化症、ある種の貧血や血小板減少症などの治療でも、大きな効果を発揮しています。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした