著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(5)病気の原因となる特定分子を攻撃する「分子標的薬」が飛躍する

公開日: 更新日:

 2023年にアメリカと日本で承認された、アルツハイマー病治療薬のレカネマブ(商品名:レケンビ)も分子標的薬です。早期の患者に、点滴を2週間に1回のペースで1年半続けると、病気の進行を半年遅らせることができるとされています。

 分子標的薬の可能性はまだまだ広がるはずですし、現在も治験中のものが多数控えていますから、2025年にはさらに新しい薬が上市されるてくるはずです。

  ただし分子標的薬は、いずれもかなり高価です。1本で数十万円もする注射薬も珍しくありません。それを毎月1本打てば、年間で数百万円に達します。安いほうでも1本数万円はします。

 もちろん高額療養費制度が使えるため、患者の負担はずっと少なくて済みます。しかし医療財政には大きな負担ですし、最終的には現役世代が背負うことになります。ただそれも限界に近づきつつあります。医療費の負担をどう分配するかについて、本気で検討すべき時期に来ているのは間違いありません。(つづく)

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