(1)骨折で入院…1カ月後に壊死で死亡の不可解

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 3週間後、主治医から次のように説明された。

「足でも壊死が始まっている。壊死したところを切断すれば、壊死の進行は抑えられるが、切断すると高齢のため体に負担がかかってしまうので切断はしないで、このまま経過を見ていきたい」

 その後、「うちの病院ではこれ以上診ることはできません」と言われ、地域の療養型の病院に転院することになった。

 次の病院に移って3日目に電話があり、「お母さんが亡くなりました」と告げられた。骨折の治療をしていたはずなのに、死亡診断書には死因は「壊疽性膿皮症」と記されていた。病院から詳しい説明はなく、ネットで調べると、外傷をきっかけに潰瘍化して壊死する病気と書かれていた。

 いまだに、なぜ壊死が始まったのか腑に落ちない圭子さんは「いま思えば、『壊死が始まった』と言われた時、セカンドオピニオンで適切な治療法を探すべきだったかもしれません」と悔いている。医療に翻弄される可能性は誰にもある。患者側は日頃から医療知識を身に付けて対処したいものだ。 =つづく

(大家俊夫/医療ジャーナリスト)

【連載】不適切な治療を受けないために

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