著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

特別訪問看護指示書で頻回の訪問…自宅での生活を徹底的にサポート

公開日: 更新日:

 この患者さんの場合、皮膚がめくれて肉が見えるほどひどい床ずれがあったため、毎日欠かさずケアする必要がありました。そこで、この特別指示書を発行することになったのです。

 患者さんの体重は約50キロ。介護する娘さんは小柄な方だったので、その点も考慮し、ヘルパーさんによる訪問入浴などは、福祉用具のリフトを使って、ご自宅での生活を徹底的にサポートすることにしました。

 ある日、私は娘さんに、万が一の時の延命処置について確認させていただきました。

「お年を考えると98歳(当時)ですし、老衰の可能性も考えられます。もし、急に呼吸が止まってしまった場合など、延命処置はどうされますか?」(私)

「延命はしない、と本人が言っています」(娘さん)

 どうやら、患者さんは入院される前から、ご家族にその意思を伝えていたようです。そのため、当面は床ずれのケアをしながら、ご家族との会話など、患者さんが普段の生活を取り戻せるようにすることを一番に考えました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋