著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

特別訪問看護指示書で頻回の訪問…自宅での生活を徹底的にサポート

公開日: 更新日:

 頭蓋内に脳脊髄液が貯留し、頭蓋内圧が高くなる「水頭症」を患う99歳の女性は、1人暮らしのご自宅で突然意識を失い入院。入院が長引くうちに筋力が落ち、ひどい床ずれ(褥瘡)ができてしまいました。ADL(日常生活動作)も著しく低下し、見かねた娘さんが私たちのところに相談に来られ、娘さん夫婦のご自宅で在宅医療がスタートとなりました。

 在宅医療が始まってからは、娘さんの丁寧なケアのおかげで、意識を失うことはなくなりました。しかし、水頭症の症状である失語症が出てしまい、入院前はスムーズにできていた会話が退院後は途切れ途切れになってしまいました。頭痛や吐き気にも苦しんでいらっしゃるようでした。

 介護は、基本的にお婿さんは手伝わず、娘さんが一人でされています。経済的には余裕があり、「保険でカバーできる金額を超えてもいいから、特別訪問看護指示書を出してほしい」とのご希望でした。

 この「特別訪問看護指示書」というのは、がんの末期やひどい床ずれなど頻繁なケアが必要な方のために、訪問看護の回数を増やせる特別な指示書です。1回の訪問で時間をかけてサービスを受けられるだけでなく、医療保険も使えるため、月の利用上限額がありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ