著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

「点耳薬」はクスリが冷えた状態で絶対に使ってはいけない

公開日: 更新日:

 さて、そんな点耳薬ですが、使用するうえで注意すべき点があります。というか、必ず守ってほしいことがあります。それは「クスリが冷えた状態で絶対に点耳しない」ことです。冷たい液体を耳の中に入れると耳の中の温度が急速に低下し、強烈なめまいを起こすことがあるからです。

 使用中の点眼薬を冷蔵庫に入れて保管する方が多くいらっしゃるので、その習慣で点耳薬も冷蔵庫に……と考えるかもしれません。もちろん、冷蔵庫で保管すること自体はクスリの品質を保つという意味ではまったく間違ったことではありません。ただ、その状態ですぐに点耳するのはやめましょう。必ず手のひらで人肌程度まで温めてから点耳してください。特に冬は、室温自体が低くなることがあるため、冷蔵庫で保管していなくてもちゃんと温めるようにしましょう。

 点耳薬は常温保管で問題ありません。しかし、点耳薬の容器の先端が皮膚などに接触すると汚染の原因となるため、使ったときに触れてしまったら冷蔵庫での保管がよいと思います。その際は、点耳薬の温度に最大限の注意を払ってください。一番は、点耳するときに皮膚などに接触しないことです。そうすれば、冷蔵庫で保管する必要がありませんから。

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