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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

「速歩き」は心臓の健康にとってプラスになる…発症と死亡リスク低下

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 心臓にとってこうしたプラス効果が見込めるウオーキングに関して、近年は「歩行スピード」についての研究も進んでいます。

 英国グラスゴー大学の研究によると、速歩きの人はそうでない人に比べて不整脈リスクが43%低いことがわかりました。英国バイオバンクに登録されている42万人以上の中高年を対象に、平均13年間の追跡調査を実施し、歩行速度のデータを分析したところ、遅いペース(時速4.8キロ未満)で歩く人に比べて、普通の速さ(時速4.8~6.4キロ)の人は不整脈リスクが35%減、速歩き(時速6.4キロ以上)の人は不整脈リスクが43%減と大きな差があったといいます。

 とりわけ、不整脈の一種である心房細動は、速歩きの人は遅い人に比べて46%もリスクが低下していました。研究者は「この知見は生物学的にも合理的で、手軽にできる健康促進の手段として『歩く速さ』に注目すべきだ」と述べています。

 心臓の領域では、「プレコンディショニング」と呼ばれる現象が知られています。あらかじめ短時間の軽い虚血などのストレスを負荷させると心筋の虚血耐性が高くなり、その後の強いストレス(長時間の虚血など)による心筋障害が軽減されることを指します。ウオーキングなどの運動をはじめ、心臓に適度な負荷がかかる速歩きは、プレコンディショニングと同様の効果が期待できるのかもしれません。

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