「復職支援」が作業療法士の重要な役割なのはなぜか
患者さんと精神的にも強く関わりながらリハビリを進める作業療法士(OT)は多くの役割を担っています。中でも手の機能回復を担当する“手のスペシャリスト”であると前回お話ししました。
手がきちんと動けばいろいろな作業ができるようになります。そのために、前回触れたような上肢と手の訓練はもちろん、機器を使用したリハビリを頻回に実施して、少しでも手を動かす機能を回復させます。
「ブレーン・マシン・インターフェース(BMI)」という先端機器を使用することもあります。患者さんの脳と手を機械で接続し、頭の中で「動け」とイメージしてその脳波が表示されると、手に装着したロボット装具が動くことで、その運動に関わる神経機能を回復させていくシステムです。
こうした先端リハビリを行うためにも、手が固まらないようにしながら、とにかく正常域内で手や肘を最大に伸ばす、最大に曲げる機能を維持することが必須になります。疼痛なくそれぞれの可動域を最大に保つというのを大前提に、少しでも手で作業する機能を回復させるのが作業療法士の重要な役割なのです。