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南渕明宏

昭和医科大教授、心臓血管外科専門医、医学博士。

突然止まる医療品の供給…行き過ぎたグローバリズムの弊害?

公開日: 更新日:

 去年の秋ですが、手術で使う長時間効く局所麻酔薬のアナペインが国内の市場で「在庫不足」に陥りました。当時の世界情勢から、「時局到来!」と各国が戦争準備を開始し、需要が急増したせいではないか、との臆測が流れました。戦場で重宝されるクスリだったからです。

 なぜ、供給が止まってしまうのか。「利益でまへん!」での突然の製造中止、工場のトラブル、役人の嫌がらせ、品質管理のインチキの露呈、戦争で需要増大などなど、さまざま理由はあるようですが、これは世界中に原料の調達場所や製造工程が散らばっているグローバリズムの弊害とも言えます。

「台湾軍の防弾チョッキは中国製よ!」などとよく耳にします。パトリオット地対空ミサイルや、F35C戦闘機のどこかに中国製の部品が使われているかもしれません。

 トランプ関税はこういった世界の相互依存を「行き過ぎ」としているのでしょう。既に世界は激しい渦に巻き込まれています。これも少子高齢化、地球温暖化などと同様に、大きな流れが人類社会をのみ込んでいるのでしょうか。

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