著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

新型コロナウイルスは今でも危険? 感染後の死亡は3%近いとの論文が

公開日: 更新日:

 一時は毎日のようにニュースを賑わした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですが、最近ではあまりその名前を報道などで聞く機会はありません。むしろインフルエンザの感染拡大の方が、ニュースとなっています。確かにインフルエンザと比べると少ないのですが、実際には新型コロナも同時に流行が見られています。

 パンデミックの時期には、インフルエンザより症状が重く、死亡率も高かった新型コロナウイルス感染症ですが、その後軽症化していると報告されています。

 それでは、軽症化した新型コロナと、季節性インフルエンザのどちらの感染が、より重症になりやすいのでしょうか?

 今年の米国医師会関連の医学誌に、冬に高齢者に流行するウイルス感染症の重症度を比較した論文が掲載されています。

 対象はアメリカの退役軍人で、中高年の男性が主体です。2022年から23年の冬と、23年から24年の冬の、2つのシーズンを比較して検証したところ、新型コロナの軽症化が想定される23年から24年の時期でも、感染後に死亡するリスクは、インフルエンザより新型コロナの方が高くなっていました。具体的には3%近い人が新型コロナ感染の後で死亡していたのです。

 軽症の患者さんが多く、今では普通の風邪のように捉えられがちの新型コロナウイルス感染症ですが、中高年はその重症化にまだ注意する必要がありそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾