(3)なぜ盗撮をしたのか…自分でも説明できない
「盗撮をする人は、『なぜ盗撮をしたのか』を自分でも説明できません。また、盗撮する人のほとんどは、盗った画像を使っての自慰行為は『しない』か、『したとしても、初期の頃のみ』に限られます」
彼らにとって重要なのはチャレンジ行為であって、性欲を満たすためではないからだ。
「まず、患者にはチャレンジ依存の構造を説明します。これが、知識と理解で高めていくことです。そして、環境を変えるために、盗撮であれば、『時計をスマートウオッチに替え、移動中のスマホは常にカバンの中に入れる』『エスカレーターは右側を歩き、階段も速歩きで上る』などのルールを徹底してもらいます。意図的に盗撮できない習慣をつくるのです」
そのうえで、毎日、問題行動をしなかったなら「〇」、問題行動はなかったが先のルールを違反したなら「△」、してしまったら「×」、問題行動への渇望が出た場合は「☆」のマークをカレンダーなどにつけ、再発リスクを自分で監視するのだという。
「依存症の治療は、『二度としない』という反省ではなく、『二度とできない』仕組みをつくること。その仕組み(エスカレーターは右側など)が習慣となり、守ることが自分の中で『当たり前』となった状態こそが、依存症から『回復した』状態なのです」 (つづく)