依存症の人が見えている世界(4)「もうやってないよね?」の声かけは逆効果

公開日: 更新日:

 依存症に陥っている人に自覚はなく、クリニックを訪れる人のほとんどのケースが、家族や友人からの指摘で来院するという。本人に自覚がない中で、どのように治療を進めていくのか? ライフサポートクリニックの山下悠毅院長が説明する。

ギャンブル依存症患者は、『借金を取り返したらギャンブルはやめる』と言います。しかし、負けている人が大勝ちをしたらやめられるでしょうか。『せっかく勝てたのだからもう一回』などと新たなやる理由を自分の中で捏造し、続けてしまいます」

 仮に家族が大病を患い多額の入院費用が必要という状況であれば、そのお金はギャンブルではつくらない。つまり、「絶対に取り返さなければ」は捏造なのだが、自分では気が付けない。

「しかし、初診であまり当人を追い詰めると苦しくなってしまうため、『まずはギャンブルの頻度や借金の状況を定期報告してくれるだけでも大丈夫』という形で定期通院につなげていきます。その後、『自分は勝っても負けてもギャンブルが止まらない状態』と理解してもらえれば、専門の治療プログラムへと導入します」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  3. 3

    佳子さま31歳の誕生日直前に飛び出した“婚約報道” 結婚を巡る「葛藤」の中身

  4. 4

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

  5. 5

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  1. 6

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  2. 7

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  3. 8

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  4. 9

    「嵐」紅白出演ナシ&“解散ライブに暗雲”でもビクともしない「余裕のメンバー」はこの人だ!

  5. 10

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢