依存症の人が見えている世界(4)「もうやってないよね?」の声かけは逆効果

公開日: 更新日:

 依存症に陥っている人に自覚はなく、クリニックを訪れる人のほとんどのケースが、家族や友人からの指摘で来院するという。本人に自覚がない中で、どのように治療を進めていくのか? ライフサポートクリニックの山下悠毅院長が説明する。

ギャンブル依存症患者は、『借金を取り返したらギャンブルはやめる』と言います。しかし、負けている人が大勝ちをしたらやめられるでしょうか。『せっかく勝てたのだからもう一回』などと新たなやる理由を自分の中で捏造し、続けてしまいます」

 仮に家族が大病を患い多額の入院費用が必要という状況であれば、そのお金はギャンブルではつくらない。つまり、「絶対に取り返さなければ」は捏造なのだが、自分では気が付けない。

「しかし、初診であまり当人を追い詰めると苦しくなってしまうため、『まずはギャンブルの頻度や借金の状況を定期報告してくれるだけでも大丈夫』という形で定期通院につなげていきます。その後、『自分は勝っても負けてもギャンブルが止まらない状態』と理解してもらえれば、専門の治療プログラムへと導入します」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 2

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  3. 3

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  4. 4

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  5. 5

    “過労”のドジャース大谷翔平 ロバーツ監督に求められるのは「放任」ではなく「制止」

  1. 6

    酒豪は危険…遠野なぎこが医学教授に指摘された意外な病名

  2. 7

    今度は井ノ原快彦にジュニアへの“パワハラ疑惑”報道…旧ジャニタレが拭い切れないハラスメントイメージ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策

  5. 10

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去