依存症の人が見えている世界(4)「もうやってないよね?」の声かけは逆効果

公開日: 更新日:

 依存症に陥っている人に自覚はなく、クリニックを訪れる人のほとんどのケースが、家族や友人からの指摘で来院するという。本人に自覚がない中で、どのように治療を進めていくのか? ライフサポートクリニックの山下悠毅院長が説明する。

ギャンブル依存症患者は、『借金を取り返したらギャンブルはやめる』と言います。しかし、負けている人が大勝ちをしたらやめられるでしょうか。『せっかく勝てたのだからもう一回』などと新たなやる理由を自分の中で捏造し、続けてしまいます」

 仮に家族が大病を患い多額の入院費用が必要という状況であれば、そのお金はギャンブルではつくらない。つまり、「絶対に取り返さなければ」は捏造なのだが、自分では気が付けない。

「しかし、初診であまり当人を追い詰めると苦しくなってしまうため、『まずはギャンブルの頻度や借金の状況を定期報告してくれるだけでも大丈夫』という形で定期通院につなげていきます。その後、『自分は勝っても負けてもギャンブルが止まらない状態』と理解してもらえれば、専門の治療プログラムへと導入します」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手