著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

アルツハイマー型認知症の治療に使う注射薬はどんなクスリなのか

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 ただ、これらのクスリ認知症であれば誰でも使用できるというわけではなく、アルツハイマー型認知症と明確に診断され、さらに脳にアミロイドが蓄積されていることも確認しなければなりません。また、2週に1回(レカネマブ)あるいは4週に1回(ドナネマブ)点滴で投与しなければならないので、その都度、通院が必要となります。

 レカネマブとドナネマブは「抗体製剤」です。こういったクスリを投与する際(特に初回)には、悪寒、発熱、頭痛、発疹、血圧低下、呼吸困難といったインフュージョンリアクションが起こることがあるので注意しなければなりません。また、アミロイドβを除去する際に脳に負担がかかることがあるので、特徴的な副作用として脳浮腫や脳出血があります。こう聞くと怖い感じがしますが、多くは軽度であり無症状です。そして、そういった副作用が起こっていないか定期的に検査をしてチェックしますので、ご安心ください。

 レカネマブ、ドナネマブの適応は軽度認知障害~軽度のアルツハイマー型認知症です。つまり、できるだけ早期に発見し早期に治療を開始することで、その効果が最大限発揮されるクスリです。気になる方は病院を受診して相談するようにしましょう。

【連載】高齢者の正しいクスリとの付き合い方

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