老化細胞除去治療「セノリティクス」とは何か?

公開日: 更新日:

 その結果、老化細胞が増えて筋肉を硬くしたり、動脈硬化を起こしたり、組織を線維化したり、慢性的な炎症を引き起こしたりすることで、生活習慣病につながっていく。

 生活習慣病は長い時間をかけてゆっくりと進行するため、自覚が乏しい。気が付いた時には深刻な状況に陥っているケースが多い。慌てて治療を始めても、いったん蓄積した老化細胞は簡単には除去できない。その後、いくら厳格に生活習慣を改善したり、薬による治療をしても、老化細胞が残ったままでは発症や病状の進行を止められない。

 もし蓄積した老化細胞を取り除ければ、従来の治療では十分抑制できなかった生活習慣病や加齢に伴う病気も抑制できるのではないか? そんな発想による新たな治療法が「セノリティクス」と呼ばれる老化細胞除去治療だ。具体的には、老化細胞を選択的に除去するよう誘導する薬剤「セノリティックス」と、特定の老化細胞の選択的組織破壊分泌状態を弱める「セノモルフィックス」による治療だ。とくに注目を集めているのは前者で、後者は糖尿病薬のメトホルミンや免疫抑制剤のラパマイシンなどの研究が進んでいる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  3. 3

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    初の黒人力士だった戦闘竜さんは難病で入院中…「治療で毎月30万円。助けてください」

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が“本塁打王を捨てた”本当の理由...トップに2本差でも欠場のまさか

  4. 9

    “条件”以上にFA選手の心を動かす日本ハムの「圧倒的プレゼン力」 福谷浩司を獲得で3年連続FA補強成功

  5. 10

    吉沢亮は業界人の評判はいいが…足りないものは何か?