老化細胞除去治療「セノリティクス」とは何か?
最近では、タンパク質の恒常性を維持するための分子で、それが維持できなくなると多く発現するGPNMBのような老化細胞特有の抗原をターゲットにした老化細胞除去薬の探索が進んでいて、D+Qと共に動脈硬化、糖尿病、心不全、非アルコール性肝脂肪疾患など多くの生活習慣病改善の研究で成果を上げている。
すでにヒトの臨床試験も始まっており、糖尿病性腎症患者の脂肪組織中の老化細胞数の低下、突発性肺線維症、フレイルなどでの研究が進んでいる。
「セノリティクス研究は急速に発展していて、今後さらに多様な作用を持つ薬剤が登場する見込みです。私の研究室でも、アポトーシスを進める細胞内レセプターを解明し、老化細胞除去薬につなげる研究を進めています」(つづく)