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酒向正春ねりま健育会病院院長

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

ソーシャルワーカーが病院の「品格」であるのはなぜか

公開日: 更新日:

■100人の患者に対して7~8人を配置

 日本医療社会事業協会(当時)では、病床数50~100床につきソーシャルワーカー1人という配置基準を設けていますが、医療機関の規模や特徴、地域によって大きく異なっているのが実情です。かつて、1800~2000人の患者さんを抱えていた都内の大病院が、3人程度のソーシャルワーカーで対応していたケースがありましたので驚きです。

 そんな状況では、ソーシャルワーカーの仕事は完全に流れ作業のようになってしまって、一人一人の患者さんや家族にしっかり向き合って、最適な対応や調整を実行するのは難しくなります。患者さんや家族の希望をきちんと聞いた上で、その希望にマッチした医療や社会制度に関する情報提供、福祉サービスや施設との連携、退院後の生活や経済的な支援の相談にのるといったソーシャルワーカーの本来の役割を全うすることはできないでしょう。

 ちなみに、ねりま健育会病院は回復期リハビリ病院であるため、100人の患者さんに対し、7~8人のソーシャルワーカーを配置しています。1人あたり5~20人の患者さんを担当する計算になります。ここまで“濃厚”な配置をしている医療機関はあまり多くはありません。

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