円錐角膜(2)中等症以上になるとハードコンタクトレンズで視力を確保
角膜が徐々に変形して視力が低下する目の病気、円錐角膜(えんすいかくまく)。今回は中等症以上の円錐角膜の治療についてお話しします。症状が進んで中等症以上になると、不正乱視が増えるのがこの病気の特徴。乱視のある片目で物を見た際に、物が何重にもぶれて見えてしまうようになります。
角膜(黒目)の中心部分が薄くなり、薄くなった部分は目の内側からの眼圧に耐えきれなくなり、円錐状にとがって突出してくる。それが円錐角膜です。
中等度以上となると眼鏡や専用のソフトコンタクトレンズでの矯正は難しくなり、ハードコンタクトレンズを使って視力を確保することとなります。「ハードコンタクトレンズは異物感が気になる」「目に痛みが出る」という方には「強膜レンズ」での治療があります。強膜は、いわゆる白目のことで、角膜には触らずに強膜で支えるレンズとなります。そのため、異物感はあまりないといっていいのですが、国内では未認可のため高額となります。1枚の価格は5万~8万円です。2~3年程度は使用できます。
ここからさらに円錐角膜が進行するとどうなるか。突出した角膜とハードコンタクトレンズが擦れて痛みを伴ったり、突出した角膜と角膜周辺のカーブが大きくなるせいでレンズが外れやすくなったりなどの症状が出てきます。擦れが出て長時間の装用が難しくなった患者さんには、ソフトコンタクトレンズの上にハードコンタクトレンズを装用する「ピギーバック」という方法をすすめることもあります。ソフトコンタクトレンズを装用することで、角膜とハードコンタクトレンズが擦れて出る痛みを緩和でき、視力も矯正できます。ただ、2枚のレンズを常用するため、手間とコストがかかり、角膜への酸素供給は悪くなるという問題もあります。


















