ソーシャルワーカーが病院の「品格」であるのはなぜか
医療機関の経営という観点から見ると、ソーシャルワーカーを手厚く配置しても、医療点数がプラスになるわけではありません。そのため、100人の患者さんに対して8人のソーシャルワーカーを配置するのはバカげている、という考え方があるのもたしかです。ソーシャルワーカー1人につき25~40人の患者さんを見れば十分だから、半分の3~4人でいいという声も耳にします。では、なぜ当院が7~8人も配置しているのかというと、ソーシャルワーカーの存在は医療機関にとっては、「品格」と「安心」を表すものであると考えているからです。「患者さんと家族にしっかり寄り添う」という医療機関としての“品の良さ”を体現するのが、手厚いソーシャルワーカーの存在なのです。それは良質な経営につながります。
患者さんと家族に寄り添ってきちんと希望を聞き、その希望を実現させるために現場のリハビリや看護介護スタッフと相談の上リハビリ治療を行って、高い満足度で自宅退院してもらう。実際にリハビリ訓練を担当するスタッフだけでなく、ソーシャルワーカーもそれを目標にしてチーム医療を束ねて働いてもらっています。