「妊婦の解熱鎮痛剤が子供の自閉症リスクを高める」の真相…トランプ流の医療情報に踊らされるな
妊娠中の発熱は、胎児に対する悪影響が指摘されており、必要な時に解熱剤の使用をためらうことは、母親と胎児の双方にとって不利益が大きいと考えられます。
一般社団法人日本保険薬局協会もまた、「アセトアミノフェンは妊娠中の発熱や痛みに対して安全に使用できる薬のひとつ」という見解を示しています。また、同協会の会員薬局に対して、「トランプ大統領の主張には科学的根拠が乏しい」という専門機関の見解を、患者に対して丁寧に伝えるとともに、患者が不安を覚える場合には、医師や薬剤師に相談を促すよう求めているのです。
なお、アセトアミノフェンの添付文書には「妊娠後期(とくに末期)での使用には注意が必要」と書かれています。胎児の心臓と肺をつなぐ動脈管が縮小する可能性があるからです。アセトアミノフェンの安全性に関する問題ではありますが、トランプ大統領が主張する自閉症リスクは神経の問題で、血管の問題ではありません。紛らわしい話にだまされず、正しい情報・知識を持つことが大切です。