不安と不調は増えるばかりでした…小梅えなさんメニエール病との闘い
「ここまで良くなるとは」と驚かれた
鉄分を増やす薬に加え、月に1回は人工血液の注入を受けました。そもそも血液を作りにくい体らしいのです。メニエール病の薬は3~4種類ありました。その中のひとつが液体のすごく苦いやつ。好きなジュースで割っていいということだったので、毎日オレンジジュースで割って飲みました。
耳の中のカタツムリのような蝸牛と呼ばれるところがむくんでいるとのことで、耳に機器を当ててむくみを取る治療もしました。
3カ月半、家と病院の往復だけでした。普通なら10分で歩ける距離を初めは30分かけて通いました。それが25分になり、20分になり、だんだん歩きやすくなるのがうれしかった。治療を始めて1~2カ月後にはめまいがすっかりなくなり、気づいたら耳鳴りも吐き気も消えていました。
治療を始める前に看護師さんから「鉄欠乏性貧血は治るけれど、メニエールは人によってわからない」と言われていました。でも3カ月もするとメニエール病の症状もまったくなくなり、「ここまで良くなるとは思わなかった。こんなに良くなる人は珍しい」と先生に驚かれるくらいになり、通院しながらの仕事復帰にOKが出ました。
自分としても面白いくらい症状がなくなって、あんなに具合が悪かったことも、「もしかしたら全部夢だったんじゃないかしら」と思うくらい体が変わりました。
お仕事も順調で、撮影現場でも「顔に活気が出てきた」と言われるようになりました。昨年末にはすべての薬と人工血液の注入も終わり、「もう来なくていいです」と治療終了のお墨付きをいただきました。
今は、ホウレンソウなど鉄分の多い食材をとるようにしています。でも神経質に「これを食べなければならない」という感じではなく、心がける程度。メニエール病が完治することはあまりないそうですが、私はとてもラッキーだったのだと思います。
(聞き手=松永詠美子)
♡小梅えな(こうめ・えな) 1999年、東京都出身。個人撮影会のモデルとして活動中に紹介され、2020年公開の「橘アヤコは見られたい」で映画デビュー。23年「私の太陽」にも出演。主にセクシー女優として活躍し、写真集など多数。24年に台湾で行われたアジア最大級のアダルトイベント「TRE」に出演した。
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