攻めのリハビリで人間回復を実現させるための根拠は?(1)
すなわち、患者さんの現在の状態は回復するゴールと比べてどの程度低いのかをきちんと把握したうえで、どの能力を回復させるために、人間力を取り戻す筋力増強リハビリを実施していくのかを明確にするのです。
筋力を把握するための簡単な指標には「握力」が最適です。その握力には2つの目安があります。まずは「フレイル」の指標で、男性28キロ未満、女性18キロ未満です。もうひとつが「絶対的筋力低下」の指標で、男女とも15キロ以下になります。
フレイルの指標の値は筋力低下を自覚する筋力ですが、回復できる筋力の目安です。「筋肉革命95」(80歳で60代の筋肉と骨と脳、90歳で70代の筋肉と骨と脳を保ち、80代でも8割が就労できて、95歳まで非介護であることを目指す)のトレーニングで回復できる目安であり、その値を見過ごすと、回復できない筋力低下まで進行するのです。
一方、絶対的筋力低下の指標である15キロまで低下すると、筋力の回復は簡単ではなく、持病や糖尿病が進行したり、転んでケガや骨折をする筋力の状態といえます。


















