近づく“その時”に焦らず冷静に向き合う…看取る家族ができること
「酸素ボンベで3リットル流しても、93%は確保できています。ただ、急変の可能性は高いです」(私)
「そうなんですね……」(夫)
「はい。ですので、“その時”が近づいているかもしれない、というお話です」(私)
自宅療養が始まるにあたり、ご家族は幸いにもとても前向きな姿勢でした。患者さんの最期が近づいていること、そのときどう対応するか、そしてご家族ができることについて、IC(インフォームドコンセント)をしっかり受けてくださいました。そのため、私たちと同じ認識を共有でき、つらい状況の中でも落ち着いて受け止めてくださっていました。
「先生、個人としてのおおよその見立ては?」(夫)
「そうですね……1週間がヤマかと思います。年越しは、非常に厳しそうです」(私)
「分かりました。先生に連絡を入れるタイミングとしては?」(娘)
「呼吸が大きくなって心配になった、などささいなことでも構いません。ただ、急ぎで動けるのは訪問看護師さんのほうが早いので、まずは訪看さんにご連絡いただくのが良いと思います。看護師さんと話したうえで“医師が来たほうがいい”となれば、すぐに伺います。訪看さんとは密に連携していますから大丈夫ですよ」(私)


















