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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

俳優・川口竜也さんは9回目 「大腸がん」は肝臓転移のみなら薬物療法で治る可能性がある

公開日: 更新日:

 肝臓への転移が手術可能かどうかは、部位や大きさ、個数で判断。たとえば多発していると、薬物療法になります。従来の抗がん剤に加え、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤など新薬が相次いで登場したことで治療効果が飛躍的に伸びているのです。

 特にがん細胞を調べてDNAのミスを修復する仕組みが働かないタイプ(大腸がん全体の5%程度)と分かると、手術をしなくても免疫チェックポイント阻害剤だけで完治することもあります。

 診断の時点で手術ができなくても、抗がん剤や分子標的薬などが効き、転移巣が縮小すると、手術に切り替えて根治を狙うこともあります。この手術はコンバージョン手術と呼ばれます。これによって治癒するケースも増えてきました。ですから大腸がんが肝臓に転移しても、川口さんのように粘り強い薬物療法によって回復することは決して珍しくないのです。

 ただし、大腸を発生学的に見ると、右側と左側は別の臓器といえ、治療成績が異なります。結論からいうと、左側は治りやすくて、右側は治りにくい。左にできた人はラッキーかもしれませんが、どちらにできるか選ぶことができませんから、毎年の便潜血検査を欠かさず、血便や便の太さなど便のチェックも怠らず、違和感があれば、すぐに消化器科を受診するのが無難です。

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